2014-11-16
限界集落株式会社

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『限界集落株式会社』
黒野伸一(著)
小学館

過疎高齢化により自治体から見捨てられた集落に一人の男が流れつき、長年の企業経営にたずさわった経験を活かし、就農形態の抜本的な改革を決行。
数々の障壁をのりこえ、潰れかけた共同体を立て直し、そして立ち去っていくという「ド田舎農業経済版シェーン」的な娯楽小説。
展開に多少ご都合主義的な部分はあるが、テンポを重視すれば許容できる範囲だ。
御説はごもっともだが、そう上手くいけば苦労しねーよ・・・とか思いながらも、楽しく快調に読み終えてしまった。
個人的に「ド田舎小説」は大好きだし、このジャンルはこれから伸びるような気がする。
オススメ度 ★★★
地方の魅力度 ★★★★
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2014-11-15
バス・ラプソディー

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『バス・ラプソディー 1970-1980’s
日本を彩ったルアーたちの物語』
三浦修(著)
釣り人社
70年代半ばから80年代にかけて、日本のバス・フィッシィングは手探りの状態で始まり、思考錯誤を繰り返しながら、一歩一歩、技術と道具が進化していった。その折々のエピソードを、日本のバス・フィッシィングの生き字引とも言える、『Basser』編集長がつづった貴重な記録である。
個人的にこの時代は中学、高校で、熱にうかされるかのごとくバス・フィッシィングにのめり込んでいた。当時はインターネットなど想像すらできなかった時代。本場アメリカからの断片的な情報が、雑誌やショップを介して伝言ゲームのように届くだけ。
不完全な知識のモジュールを自分なりに再構築し、ああでもない、こうでもないと思考錯誤する毎日。もちろん大半は失敗。振り出しに戻ってやり直し。思い込みばかりが先行して空回りし、ずいぶんと的外れなこともやったものだ。だからこそ、当てずっぽうが見事的中したときのテンションの上がりっぷりと言ったら、もう猿の一歩手前レベルだった。
この本を読んで、当時の思考錯誤と興奮がありありと蘇った。
もちろん、バス・フィッシィングの普及と進化は外来種のゲリラ放流という違法行為に支えられた側面もあるため、手放しで賛美することはできない。
現在は、ネットで検索すれば、ほぼすべての情報が瞬時に手に入り、大きなショップへ赴けばたいていの道具は買うことができる。断片的な情報の再構築や思考錯誤や道具の改造は、よほどマニアックな釣り人以外は必要がない。
とても便利だ。もちろん便利なほうがいいに決まっている。
だけどあの頃の、思考錯誤のドキドキ・ワクワクは、一生色あせることのない宝物だ。
オススメ度 ★★★★
マニアにしかわからない度 ★★★★★
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2014-11-14
You Tubeで食べていく

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『You Tubeで食べていく
「動画投稿」という生き方』
愛場大介(ジェット☆ダイスケ) 著
光文社

本書の内容を一言で説明すれば、「You Tubeで食べていく――のは基本ムリ」といったところか。
動画投稿で手っ取り早く金を稼ごうと甘い考えで本を手にした方にはお気の毒さまとしか言いようがない。
職業になるほど、まだ日本の動画投稿市場は成長していないらしい。
本の内容も、動画投稿ビジネスの方法論については、ほとんど触れていない。
では、本書のテーマはなんなのか?
ズバリ、表現です!
ビジネスというよりは、クリエイティブを論じる本です。
動画投稿市場成長過程にある日本でも、一握りのユーチューバーと呼ばれる人々が高収入を得ているのは事実だ。
だがそれも、才能と運に恵まれたクリエイターが必死になって純粋に表現を追求した結果でしかない。
そんなユーチューバーたちにインタビューし、彼らが何を、如何に表現してきたのか、その思考錯誤をまとめたのが本書なのです。
プロのクリエイターが時間と金をかけて撮影した動画が、高校生が思いつきとノリで撮った瞬間芸のような動画に、閲覧数では遠く及ばない。そんなことも珍しくはない。
だが、表現の質を追求し、ある程度の運に恵まれれば、副収入につながることも、やはり珍しくはない。
近い将来、「動画投稿」という職業が一般化する――そんな可能性も、この本から感じた。
オススメ度 ★★★
なめるな、されど諦めるな度 ★★★★
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2014-11-12
知らないと恥をかく世界の大問題

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『知らないと恥をかく世界の大問題』
池上彰 著
角川SSC新書
なによりタイトルの付け方がうまい!
書店に足を向けるような知的好奇心あふれる人の強迫観念をあからさまに突いていて、苦笑しながらも思わず手に取ってしまった。
内容は特に新しいところはなく、ごく当たり前の事実、現実を解説しているだけ。
いつもながら、著者は説明が上手で感心する。テレビを見ていても感じることだが、とにかく解説が分かりやすい。彼のおかげで新聞を読んだりニュースを見たりするのが楽しくなった人も少なくはないはずだ。
でも、ひとつだけ注意したいことがある。
「わかりやすさ」と「真実」は必ずしも同義ではない。
あ、池上彰が嘘ついてるって意味じゃないですからね。疑問や興味を覚えたら自分で調べ、自分の頭で考えて判断する。「わかりやすさ」は、そういった知的好奇心への入り口として機能するにすぎないということです。念のため。
このシリーズ、1~5まであります。
オススメ度 ★★★★
これ読んでわかった気になるな度 ★★★★
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2014-11-10
世界は危険で面白い

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『世界は危険で面白い』
渡邉陽一 著
産経新聞出版
戦場カメラマンの著者が巡り歩いてきた、様々な紛争地域のレポートです。
テレビでは独特の存在感で人気のほのぼのオジサンですが、断言しましょう――この人はバケモノです。
この本1冊に記された体験だけでも、普通なら10回くらい死んでます!
マラリア、遭難、強盗、飢餓、高山病、野犬、秘密警察、拉致、空爆――あらゆるページで死亡フラグ立ちまくり。
物凄いサバイバル・スキルと運。
まさにライフルをカメラに持ち替えたゴルゴ13。
そのへんの「本当にあった怖いお話」なんぞより、よほど怖い本です。
戦争の愚かさ、悲惨さを余すことなく伝えてくれますが、この本はそれだけにとどまらない。
著者は、戦場で必ず笑顔も見つけるのです。
しかも子供たちの笑顔を。
そんな視点の温かさが、彼の人気の理由なのかもしれません。
オススメ度 ★★★★
地雷原でスキップ度 ★★★★★
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