2014-10-24
もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら

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『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』
工藤美代子 著
メディアファクトリー

「本当にあった」を標榜する怪談本は数多いが、ノンフィクション・ライターが体験した怖い話をまとめた本は珍しい。
恐怖のリアリティーに「わかりやすさ」を求める向きには打って付けの本だろう。タイトルは、ちょっとだけ残念だ。
内容は、ノンフィクションという要素にこだわらなければ普通の怪談である。深夜お風呂に入るのをためらうほどに怖く、睡眠時間を削られるほどには面白い。それでも、この本より怖い作り話が、いくらでもあるのは事実。
お化けや幽霊の話になると、「そんなの作り話にきまってる!」と切って捨てる人がいる。
まったく無意味な発言だと思う。
怪談とは、怖い話を聞いた人の内面に立ち上がる恐怖の質感こそ重要なのであって、事実か作り話かなど大した問題ではないのだ。
むしろ、怪異に真実を求めすぎるのは危険だ。
長い人生、ときには「真実」としか思えない神秘体験に直面することもあるだろう。だがそれは、霊感商法やカルトが仕組んだ罠の第一段階であるケースも少なくないのだから。
あくまでも怪談は「お話」として聴き、語るのが、良識ある大人のスタンスだ……まあ、良識ある大人は怪談などに縁はないのかもしれないが。
オススメ度 ★★★★
事実ゆえの恐怖度 ★★
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