2014-11-25
フードトラップ

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『フードトラップ』
食品に仕掛けられた至福の罠
マイケル・モス(著)本間徳子(訳)
日経BP社

塩、砂糖、脂肪――食品の三大要素をテーマに、アメリカ食品業界が消費者を餌付けすべく編み出したアノ手コノ手の戦略を解説した一冊。
様々な企業の多様なマーケティングを片端から紹介しているため、脱線も目立つしページも多いが、資料としては価値があるだろう。
ただし、食品業界をバッシングするだけの本ではない。国の指導や、消費者が発する健康不安の声を受け、どのように対策を講じたか、その努力も公平に紹介してあります。
消費者の視点から食品会社の手口を知り、塩分や糖分、脂肪の過剰摂取を避ければ健康維持に役立ちます。一方でビジネスマンの視点に立てばマーケティングの教科書的な読みかたもできますね。
この本を読んで一番印象に残ったのが「加工食品の満足度は塩分、糖分、脂肪のバランスで決まる」との一文だった。
塩分を控えれば糖分と脂肪を増やして満足度を維持し、糖分を控えれば塩分と脂肪を増やして満足度を維持、脂肪を控えたら塩分と糖分を増やして満足度を維持する。
つまり、健康に気を使って「低塩分」「低糖質」「低脂肪」の食品をそれぞれ摂取すると、塩分と糖分と脂肪分をもれなく過剰摂取してしまうという本末転倒な結果になることも少なくないということ。
これ、重要ですよ!
また、食品の糖分を一定以上増やすと消費者は「飽き」を感じるが、脂肪はいくら増やしても飽きない。そして食品よりも飲料水のカロリーを無視しがち。それらも覚えておくといいかもしれない。
本書を読んで、加工食品における糖分、塩分、脂肪は麻薬に似ていると感じた。
オススメ度 ★★★★
もう少し情報整理しろ度 ★★★
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2014-11-22
あのメニューが生まれた店

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『あのメニューが生まれた店』
菊地武顕 著
平凡社

ハヤシライス、餡パン、タコ焼き、カレーうどん、豚の生姜焼き――普段、我々が当たり前のように口にしている定番メニューの数々。
そのひとつひとつに、誕生のドラマがある。
料理発祥の店で語り継がれる、メニュー誕生物語の集大成が本書だ。
見開き2ページつき1品。それが50品以上!
写真も美しいですね。
一気に読むもよし、忙しい合間をぬって少しずつ読み進めるのもよし。
ただし読んでいて、お腹が空く本です。
オススメ度 ★★★
ダイエット失敗度 ★★★★
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2014-11-21
歩いてみた

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一本歯の下駄で、初めて歩いてみました。
苦戦するかと思ったら、普通に歩けます。
買ったお店で「竹馬みたいなもんだよ」と言われましたが、確かにそんな感じです。
歩くのは容易ですが、むしろ立ち止まっているのが大変!
バランスを取るのが難しく、フラフラします。これも「慣れ」でしょうけど。
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2014-11-20
一本歯の下駄!

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武術研究家である甲野善紀先生の著書に触発され、一本歯の下駄を買ってきました。

これを履くことによって足腰の鍛錬になり、鋭いバランス感覚も養えるとか。また、苦しんでいた腰痛が治ったとの話も聴きます。
足腰や身体感覚を鍛えることができるのか?
それ以前に、ちゃんと履いて歩けるのか?
唐突ですが、感想文と並行して「一本歯の下駄体験記」もやっていくことにしました。
世にも珍しい下駄の感想文です。
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2014-11-19
歴史の方程式

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『歴史の方程式』
マーク・ブキャナン(著)水谷淳(訳)
早川書房

地震や山火事といった災害、相場変動や恐慌といった経済現象、文化や流行などの社会現象、進化や感染といった生物現象。これらの問題は構成要素が多岐にわたり、複雑に相互作用するため予測が不可能とされる。
しかし、それらの問題から法則性を導き出して予測を成功させるべく、複雑系理論、非平衡統計学、歴史物理学など、耳慣れない学問を駆使して追及していく内容。
研究によれば全ての複雑な問題は、構成要素を拡大すると全体の文脈に一致するフラクタル構造をなしており、その規模と頻度は冪乗則にしたがうという。(地震を例にとれば、マグニチュードが2倍になると回数が1/4になる、というふうに)
で、法則性をはじき出したから予測できるかといえば、それはまた別の話らしい。すでに発生した事象については説明が可能だが、予測は不可能という当たり前すぎる結論。なんか、出来ない言い訳を延々と読まされているようで、ちょっとつらくなった。
まあ、カオスやフラクタル、自己組織臨界などの概念を理解するにはいいかもしれない。でも、だったら「複雑系入門」的なポピュラーサイエンスのほうが分かりやすいしなあ……。
オススメ度 ★★
だからどうしろと度 ★★★★
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2014-11-18
身体から革命を起こす

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『身体から革命を起こす』
甲野善紀・田中聡 共著
新潮社

この10年ほどで、武術家・甲野善紀は活動の幅が大きく広がった。
活動の方向性も格闘技にとどまらず、野球、バスケット、陸上競技などの各種スポーツ、音楽や舞踏などの芸術、さらに精神医学と多岐にわたっている。
本書は、甲野善紀の指導を受け、古武術の動きや身体感覚を取り入れて成功した、様々な分野のアスリートや文化人たちに、ライターの田中聡がインタビューし、その内容をまとめたものである。
甲野自身の著書も多数出版されているが、時として達人の御言葉は一般人に伝わりづらいこともある。ただでさえ活字での表現には限界がある。ましてテーマが“技”や“身体感覚”といった言語化に向かない分野であればなおさらだ。
だが教え子とインタビュアというツー・クッションを置くことで情報が程よく消化され、理解しやすくなっている。
最近、介護の分野で甲野の名をよく耳にする。古武術の体裁きを応用することで、要介護者を移動するさいに介護者の体力的負担を軽減できるらしい。
甲野の指導を受けた介護師のインタビュー内容も掲載されていた。「学校で教科書通りの介護を学んだ若者が、数年で腰や頸椎を痛めて辞めていく。介護者が要介護者になる悪循環がある」という証言は衝撃的だ。
技術は定着すると権威が発生する。だが権威に裏付けられた技術も完璧ではない。部分的な不具合は必ず出てくる。だが不具合を認めれば権威が揺らぐ。だから不具合は権威によって黙殺され、修正されることはない――そのような歪みの構造は、介護もスポーツも同様らしい。
しかし甲野の「身体革命」は、場合によっては技術の大前提を覆してでも修正を迫るものである。黙殺するには、彼の存在は大きくなりすぎた。権威の上にあぐらをかき、既得権の恩恵にあずかる長老たちは、生きた心地がしないであろう。
オススメ度 ★★★
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2014-11-17
マッサン7週目!

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NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』
エリーの病状は回復し、家賃の支払いも延期の約束を取り付けた。
一息つくマッサンだが、相変わらず無職。
鴨居商店の若社長はウイスキー造りの計画を着々と進め、そちらも気にかかる。
そんな中、エリーは他人様の家族の問題に首を突っ込む。
ベタな家族再生の回だったが、最終的に感動して泣いた。
今週からは波乱の予感ですな。
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2014-11-16
限界集落株式会社

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『限界集落株式会社』
黒野伸一(著)
小学館

過疎高齢化により自治体から見捨てられた集落に一人の男が流れつき、長年の企業経営にたずさわった経験を活かし、就農形態の抜本的な改革を決行。
数々の障壁をのりこえ、潰れかけた共同体を立て直し、そして立ち去っていくという「ド田舎農業経済版シェーン」的な娯楽小説。
展開に多少ご都合主義的な部分はあるが、テンポを重視すれば許容できる範囲だ。
御説はごもっともだが、そう上手くいけば苦労しねーよ・・・とか思いながらも、楽しく快調に読み終えてしまった。
個人的に「ド田舎小説」は大好きだし、このジャンルはこれから伸びるような気がする。
オススメ度 ★★★
地方の魅力度 ★★★★
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2014-11-15
バス・ラプソディー

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『バス・ラプソディー 1970-1980’s
日本を彩ったルアーたちの物語』
三浦修(著)
釣り人社
70年代半ばから80年代にかけて、日本のバス・フィッシィングは手探りの状態で始まり、思考錯誤を繰り返しながら、一歩一歩、技術と道具が進化していった。その折々のエピソードを、日本のバス・フィッシィングの生き字引とも言える、『Basser』編集長がつづった貴重な記録である。
個人的にこの時代は中学、高校で、熱にうかされるかのごとくバス・フィッシィングにのめり込んでいた。当時はインターネットなど想像すらできなかった時代。本場アメリカからの断片的な情報が、雑誌やショップを介して伝言ゲームのように届くだけ。
不完全な知識のモジュールを自分なりに再構築し、ああでもない、こうでもないと思考錯誤する毎日。もちろん大半は失敗。振り出しに戻ってやり直し。思い込みばかりが先行して空回りし、ずいぶんと的外れなこともやったものだ。だからこそ、当てずっぽうが見事的中したときのテンションの上がりっぷりと言ったら、もう猿の一歩手前レベルだった。
この本を読んで、当時の思考錯誤と興奮がありありと蘇った。
もちろん、バス・フィッシィングの普及と進化は外来種のゲリラ放流という違法行為に支えられた側面もあるため、手放しで賛美することはできない。
現在は、ネットで検索すれば、ほぼすべての情報が瞬時に手に入り、大きなショップへ赴けばたいていの道具は買うことができる。断片的な情報の再構築や思考錯誤や道具の改造は、よほどマニアックな釣り人以外は必要がない。
とても便利だ。もちろん便利なほうがいいに決まっている。
だけどあの頃の、思考錯誤のドキドキ・ワクワクは、一生色あせることのない宝物だ。
オススメ度 ★★★★
マニアにしかわからない度 ★★★★★
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2014-11-14
You Tubeで食べていく

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『You Tubeで食べていく
「動画投稿」という生き方』
愛場大介(ジェット☆ダイスケ) 著
光文社

本書の内容を一言で説明すれば、「You Tubeで食べていく――のは基本ムリ」といったところか。
動画投稿で手っ取り早く金を稼ごうと甘い考えで本を手にした方にはお気の毒さまとしか言いようがない。
職業になるほど、まだ日本の動画投稿市場は成長していないらしい。
本の内容も、動画投稿ビジネスの方法論については、ほとんど触れていない。
では、本書のテーマはなんなのか?
ズバリ、表現です!
ビジネスというよりは、クリエイティブを論じる本です。
動画投稿市場成長過程にある日本でも、一握りのユーチューバーと呼ばれる人々が高収入を得ているのは事実だ。
だがそれも、才能と運に恵まれたクリエイターが必死になって純粋に表現を追求した結果でしかない。
そんなユーチューバーたちにインタビューし、彼らが何を、如何に表現してきたのか、その思考錯誤をまとめたのが本書なのです。
プロのクリエイターが時間と金をかけて撮影した動画が、高校生が思いつきとノリで撮った瞬間芸のような動画に、閲覧数では遠く及ばない。そんなことも珍しくはない。
だが、表現の質を追求し、ある程度の運に恵まれれば、副収入につながることも、やはり珍しくはない。
近い将来、「動画投稿」という職業が一般化する――そんな可能性も、この本から感じた。
オススメ度 ★★★
なめるな、されど諦めるな度 ★★★★
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